田舎に泊まろう

都会での生活に疲弊してくると、つい遠くに心田を奪われてしまう、目を向けたくなる。うんざりする人混みを掻き分けて、息苦しい満員電車では心身を痛めつけられて、永久に続く硬いアスファルトを最後の力を振り絞りかけ上がってやっとこさ職場にたどり着く。そんな営為を送っていると、ふと出くわした殺風景な景色、だだっ広い敷地、どこまでも続く畦道、とどのつまり、普段目にすることのない非日常の世界に爪先が触れただだけで、ゾクゾクッとする質の男なのである。
先日、滋賀県蒲生郡に本社を置く企業まで電車に揺られて取材に行ってきた。貴生川駅から近江鉄道に乗り換えたあたりから心が躍りだし、郊外特有のどこか懐かしくどこか侘しい光景が車窓から流れてきた。最寄りの日野駅に降り立つと、すでに周りは何もない。だが、それがいい。こんなところで真昼間にスーツを着た人など珍しいのだろう、ぼくを一瞥しながら地元の高校生たちがぞろぞろと踏切を横切っていく。
ちょうど観光客相手の休憩所が駅に隣接していた。そこで食べたハヤシライスがまたバファリンの如く半分は優しさでできていた。ぼくはアイスコーヒーを飲みながら何も考えずテーブルから外の景色をぼんやりと眺めていた。それだけで癒されたし、年を取ったら田舎に住むのも悪くないなと老後の自分を想像していた。
みなさんは都会と田舎どちらが好きですか?

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