ビターな日々

「バレンタインデー」の歴史はローマ帝国の時代にさかのぼるとか。この習わしが現代まで続いているとに驚きである。こと日本では2月14日に女性がアプローチしたい意中の男性に愛情の告白として、本命チョコを贈るのが不変的イベントになり、本命以外の人には義理チョコという、ネーミングからして一段落ちる「残念賞」が手渡されるようになった。
毎年この日になると世俗にまぎれてぼくも意識をしてしまう、独り身男性の悲しい性である。年甲斐もなく、中学生が靴箱を何度も覗くようにドキドキしているのだ。
思い返すとバレンタインデーの日に本命チョコをもらった記憶がない。いつも義理チョコという烙印の押された、甘い甘い小さなチョコを舌の上で転がしている。「もらえるだけでもありがたい」。その通りだ。そして男性はお返しに、ホワイトデーというお約束を履行するのである。
今年はいつもの店のママとアルバイトの女性におしゃれなチョコと日本酒のセットを頂戴した。その店のマスターは、学生時代に40個ぐらいチョコをもらったと豪語していた。「あのときがピークやったな」と苦笑するマスターをぼくは笑いながら、お返しは何がいいかをぼんやりと考えていたのだった。

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