居酒屋紹介①

夜の帳が下りる頃、いつものように暖簾をくぐる店を今回は紹介しようと思う。
店の名前は「呑みどころ・卯」。うさぎと読む。店名の由来は7年前にオープンした年が卯年で、たまたま大将本人も年男だったことに因んで縁起を担いで頂戴したとのこと。先月には7周年をめでたく迎え、常連客を招いて記念イベントを開催したところだ(ちなみに提案者は小生である)。
場所は大阪市内の西区江戸堀にある。大阪駅に向かって四つ橋筋沿を歩き、靭公園を越えて郵便局を左に折れる。最寄り駅は地下鉄四ツ橋の線肥後橋駅が近く交通の便もありがたい。地図など詳細は「呑みどころ・卯」で検索してもらうといい。
このお店。ぼくの上司が行きつけの飲み屋が潰れてしばらく居酒屋難民に陥っていたころ、会社近辺から帰宅道中に至るまで、自分の好みの条件を満たした飲み屋を探索しつづけ、やっとこさ開拓したお店である。そこにぼくがほいほいとついていったわけだが、はじめて訪れた時、流石に上司の条件をクリアしているなと感じた。
まず①魚料理(刺身)がある。これは70歳のベテラン団塊上司ならではで年齢的に魚料理がないと厳しい。②テレビが置いてある。これも毎日ひとりで通う人には必須の条件で、話し相手がいなくてもテレビ相手に時間を費やせる(意外とテレビを置いていない店が多いのだ)。③店内の雰囲気がいい。店内の装飾。照明。大将の人柄や常連客のマナーなどなど。ここに一番重きを置いているのではないか。料理の旨さや値段などは二の次でもいいが、毎日通うのであれば居心地の良さは絶対で、雑音を排除し、ひとりの時間を大切にできる環境が整っているか。すべてをクリアしているこのお店を総合的に判断して上司は○を出した。
ぼくもかれこれ卯に通いだして3年ほどなる。いつの間にか大将と奥さん(アイちゃん)にパートのリエちゃんには、お店を離れて公私ともにお世話になっている。休みがあれば魚釣りやキャップ、競馬場などイベントに参加する間柄となった。この場を借りてお礼を申し上げたい。
正直、ぼくは居酒屋の条件にこだわりはないが、誰とその時間を過ごすかに尽きると思う。そういう意味ではカウンターで気さくな大将やアイちゃんと会話ができるのは非常にありがたい。
このお店の大将は脱サラしていまのお店を始めた。開店当初は料理もままならず、奥さんによく怒られた苦労話もおもしろい。平日は昼も頑張ってランチ営業を行い、お店が手狭なのは否めないが、夜も7時を回れば常連客で満席になる。まさに「兎の上り坂」のように繁盛していただきたい。
ぼくはここで、「あれがおいしい」とか「これが安いとか」あえて記載しない。実際に足を運んでみて、その人にお店の雰囲気を感じてもらうほうが正しいからだ。誰かに勧められたり世間で評判のいいお店も、つまるところ、目や鼻、口で、耳で、身をもって体現するほかないからだ。よく期待値が高くて裏切られたことはないだろうか。誰しもが「☆3つ」ではないのである。しかしながら、卯に初めて足を運んだ人は帰り際、大将の屈託のない笑顔と「ありがとう。また来てな」の言葉に、卯の名刺を必ずジャケットに忍ばせて帰るであろう。

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