未来の職人たち

年の瀬の厳しい木枯らしが吹きすさむ週末に、熱い男たちに遭遇してきた。大阪府立南大阪高等職業技術専門校で行われた、1級配管(建築配管作業)技能検定受験対策事前実技講習の現場にお邪魔してきた。これは関西配管組合工事業協同組合が技能検定試験を申し込んだ方を対象に、ひとりでも多くの技能士を世に送り出そうと、受験対策として事前に実技講習を計画しているものである。2日間、本番さながらに講師が熱心に指南し、受験当日の課題と同じものを試作してもらう。実技試験のほかに座学では、ペーパーテストの基本事項について講義し、配管図から材料を拾い出して材料表を作成する。
今年も難関の1級配管検定に挑戦する設備業者に勤めている若者らは、朝早くから会場に集合し本番を見据えて課題に取り組んでいた。受講者らは講師の話に耳を傾けメモを取りながら確認していく。昼食を挟んで午後からは、鋼管のネジ切り作業や接着接合作業の予習や、配管図に従って管継手を使用しての鋼管、銅管、塩化ビニル管の配管組立作業を時間内で行えるようにひたすら練習し、実際に誤差や水漏れがないか寸法精度内での誤差を講師がチェックする。
いま人材不足が深刻化している。若者が入ってこないのだ。職人と呼べる技術者はもう50代、60代に差し掛かり、10年後には本当にプロの職人と呼べる現役は恐らく数えるほどだろう。今や日本の若者には期待できず、外国人労働者が穴を埋めてくれている。彼らは日本に稼ぎにきているので残業も苦にせず、文化や言葉を学びながら真面目に働いてくれると聞く。ぼくら日本人(特に若い世代)は、肉体労働職に疎く敬遠するきらいがあるが、例えば配管技能士は立派な国家資格であり、合格者はこれまでに400万人を超え、確かな技能の証として各職場において高く評価されているのである。
ある講師が言った。「ぼくらはひとりでも多く合格者を出したい。技術の継承は君らにかかっている。言葉は悪いがズルしてでも何でもいいから、この2日間でしっかり学んで帰ってほしい」。
ぼくがこの業界に関わりだして思うことは、おこがましいが、インフラを支えている彼らこそ日本を支えている気がしてならない。冷たいすきま風などおかまいなく、額から汗を流して黙々と作業に取り組む彼らに日本の明日を見た。

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