ウェディング・ソング①

結婚式に行ってきた。悲しいかな、当然ぼくのことではない。新郎である大学時代の友人の披露宴に出席すべく、電車を乗り継いで京都までの小旅行に出かけた。友人の出身が京都なので仕方がないことだが、関西在住にかかわらずいまだに京都に苦手意識を抱いており、仕事以外のプライベートで訪れることは皆無に等しい。多分、京都特有の建築物やしきたりに身体が拒絶するのは、日本文化の美徳や美意識を受けとる感受性がぼくには乏しいのだろう。また京都人に見受けられる、腹の内を見せないどこか距離を置くコミュニケーションも苦手だ。好みでいえば、三宮のガード下にいるワンカップ一杯で人生を説くおやじの方に惹かれる。それでもそんなおやじが外国人だらけの京都の街中を闊歩していたら、京都人ではなくとも躊躇いなくお縄にしていただきたい。
話が逸れた。年を重ねると昔の仲間と再会する機会は結婚式ぐらいになってくる。当然、住んでいる場所も違うだろうし、忙しない日々の中それぞれが年相応の仕事をこなしている。結婚をし家族ができればなおさらで、頻繁に連絡を取ることがなければお互い数年に数えるほどしか会うことがない。また会う必要もないと思う。そういう意味でも結婚式はみんなの同窓会の要素も含んでいて、懐かしい仲間と再会するいい機会にもなるのだ。
結婚式の当日、予報では大型の台風が西から接近し夕方からはさらに天候が荒れるという。ぼくは礼服をタンスから引っ張り出しウエストが悲鳴を上げながらもなんとかベルトで止めて身なりを整え、荷物になるが大きめの傘を持って出かけた。