「恋は遠い日の花火ではない」

今年も夏が終わった。皆さんはいかがだっただろうか。ぼくはまさに瞬きしているうちに一瞬に過ぎ去っていった。関西地方はここ数日、朝夕は暑さが和らぎ、残暑を含みながらも季節の変わり目を肌で感じている。誰しもが年を取ると「時が過ぎ去るのは早いものだ」と異口同音唱える。となると80オーバーのお年寄りにとっては、一日の体感時間なんて瞬殺にすぎず、一年が半年ぐらいに感じるかもしれない。かくいうぼくも今年も残り四ヶ月になり、恐ろしいスピードでカレンダーのモデルが衣替えしていく姿で実感している。
毎年夏になると感じるのだが、花火大会が行われる夕暮れの時間帯に突如、浴衣姿の若者らが駅の中に現れる光景に判然としないものを抱く。彼らはお互いのパートナーとこれから夜空に舞う花火を仲良く観賞するのだが、どこか「花火」に固執しているように思えるのだ。それが夏のステータスかのように、狭い構内をバカ笑いしながらサラリーマンたちの肩にぶつかりながらも通り過ぎていく。急がないと今年の夏が終わってしまうとばかりに。そして刹那的な花火と同じように、次の日にはあれだけ群がっていた浴衣姿の恋人たちが忽然と姿を消しているのである。「時が過ぎ去るのは早いものだ」とは、年老いた老人の感傷だけで、若者たちは花火をと同じように瞬間の繋がりを楽しむことができるのだろう。
「恋は遠い日の花火をではない」。ぼくはそんなコピーが昔あったことを思い出し、少しセンチな気持ちになり、振り払うかのように電車に飛び込んだのだった。

先日受けた健康診断の結果が返ってきた。内臓や肝機能など血液類は何も問題がなく安心したが、体重の増加によるメタボリックシンドローム、いわゆる「メタボ」判定がCランクに突入しいよいよ要注意と尻に火が灯された。以前にダイエットに励むと高らかに宣言したにもかかわらず、この様である。自分でも不甲斐なさを痛感し、ぐうの音も出ない。原因は明らかに食べ過ぎに尽きる。しかも寝る前にがっつり食べるので、結果ジムで身体を動かしても日中歩き回っていても「いってこい」なのだ。このまま醜い中年メタボに真っしぐらか、まさに今から鍛えないと取り返しがつかなくなる。そう思いながらも、スナック菓子を頬張る右手を止められないのでは未来はない。