ものづくり物語

仕事で大阪の花博記念公園(鶴見緑地)で毎年開催されている大阪建団連主催「建築・土木技能体験フェア」の取材に行ってきた。「明日の日本を担うスペシャリストを目指して」をテーマに掲げ、型枠、測量、塗装、左官、設備などのブースを設けて、いわゆる「職人さん」をより身近に感じてもらおうと、一般の方や就職を控えた工業系や専門分野の高校生、大学生に無料で体験してもらうイベントである。夏の日差しに照らされた職人さんたちは、みな男らしい精悍な顔つきで、日焼けした肌と無駄のない引き締まった身体が逞しく、クーラーの効いたオフィスで悠々とパソコンをいじっているサラリーマンがかなう人達ではないと心底思った。各ブースではそれぞれ来場者に実際の仕事を体験してもらえるように工夫され、足場で作られたツインタワーに上る「鳶体験」や左官職人による「壁塗り体験」、また大阪工業技術専門校の生徒たちによる棟上げなど
本格的な職人技と高い技術力を紹介していた。家族連れにも楽しんでもらえる、「カンナ削り競争」や「丸太切り競争」など、普段何気なく目にする建築物の最初はこんな作業を積み重ねて行われているのかと、その緻密な作業に素直に驚かされる。板金コーナーでは、職人が手先だけで「鶴」を完成させ、設備ブースではダクトで貯金箱を作ってみせる。
賃金の割に過酷な労働時間、社会保険の未加入問題など、若者が入らない現実に後継者不足が深刻化し、業界全体が抱える難題が多いのは事実だ。ただ、こういったイベントや地道なPR活動を継続していくことで、世間に認知され業界全体の地位向上、底上げに繋がっていくと信ずる。それは、ひとつのことを愚直にやり続ける職人さんたちの仕事を見れば充分だ。

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